古代から加茂は木津川を通じて物流の一大拠点でした。
特に茶業はこの水運と近代の鉄道により大きな発展を遂げました。お茶、木津川、鉄道の結びついたこの加茂にゆかりある、明治時代に加茂から大佛駅間を幻の真紅の汽車が走る鉄道“大佛鉄道”、その〝汽車〟と伝統産業である〝お茶〟を融合させ〝大佛汽茶〟と名付けました。
車両と車両がつながった汽車、そこは各地から見知らぬ人が集まる空間です。
そして、府県境(京都府・奈良県・三重県・滋賀県)や市町村境(木津 川市・奈良市・和束町・笠置町・南山城村・伊賀市・信楽町)の国境を超えたつながり、そこには地に生きる人と人とのつながりが生まれ、加茂はその交差拠点でした。
〝大佛汽茶〟は人と人のつながりを大切にできる空間として、お客様が 地域の歴史や伝統工芸、文化、産業の素晴らしさを再発見し、地域への愛着を感じられるよう、様々なデザインエレメントを織り込んだ最高の感動体験を提供したいと考えています。
店内
明治時代の駅待合室を再現しました。
同じく奈良のJR京終駅も昨年に明治時代の駅舎に復元されました。
京終駅は椅子が木目ですが、当店はお茶やうつわの色を鮮やかに見せるため、現在風にアレンジして白色を基調にしています。
大佛汽茶にはテーブルがありません。広々とした空間をご自由にお客様のスタイルで楽しんでいただけるように設計しました。
当店の地域は茶の一大産地として全国に知られています。
京都府(山城・加茂・和束・笠置・南 山城)、奈良県(月ヶ瀬)、三重県(伊賀)、滋賀県(信楽)にそれぞれ歴史ある茶産地がありますが、これらは別々のものではなく、古代より文化を共有した意味では一体化された茶産地としてとらえることもできます。
奈良時代に、聖武天皇が東大寺を建立し、その鬼門を守る寺として笠置寺や伊賀島ヶ原に東 大寺には存在しない正月堂を建立したとされ、東大寺などの南都仏教寺院の建築木材はこの 地域から木津川を通じて木津に集積されたそうです。
のちに、聖武天皇は加茂(恭仁)や信楽 に遷都しました。 徳川家康が大坂城を再築城の際、この地域の石材を加茂に集積し、木津川を通じて大坂に運びました。
そして明治時代、この地域で発展した茶が世界に知られるようになりました。
この壮大な歴史背景で育まれたお茶を皆様にご紹介したいと思います。
加茂の水は、自然豊かな周辺の山々から浸みて涌いた地下水です。
この豊かな自然が良い水を生み出し、そんな水で育つ良質な茶が育ちました。
当店はこの加茂の自然の恵みが凝縮された水でお茶を煎れております。
お茶は育った土地の水を使うことで、最も香り高く、美しい水色で淹れることができます。その茶葉のポテンシャルを引き出し、よりお茶の魅力を感じていただけるようにこだわりぬいた水で提供させていただきます。
茶はうつわによっても味が変化します。
当店はこの地域の茶とともに発展した信楽の陶器で茶を煎れております。
更に信楽を代表する伝統工芸士とのコラボレーションにより生み出された、新世代の急須を使用しています。
この急須は、茶の香りの妨げになるような金属製のフィルターがなく、茶葉本来の香りと味をお楽しみいただけるように作られていながら、日常的にも使いやすいように細やかな配慮がされています。
茶葉にこだわり水にこだわり器にもこだわった、究極のお茶を大佛汽茶でお楽しみください。
WORKSHOP
大佛汽茶の店内を使用して、ワークショップやイベントを随時開催しています。
予約制となります。講座についての詳細はお問い合わせください。